「名北福祉会9条の会」通信 No1
「立ち上げ講演会成功のお礼と講演の報告」
5年前、平和社会の実現として平和憲法と憲法九条を護っていきましょう、と地域に発信し ていこうと名北福祉会のOBを中心に「名北9条の会」が発足しました。名北9条の会は講演会や勉強会など行って来ましたが、安倍政権が強引に決めた改憲へ の日程が近づくにつれ、より強く護憲を訴えなければならないとされ、2009年度福祉会総会にて名北福祉会全体で護憲運動の取り組みをすすめることが確認 されました。以後「名北福祉会9条の会」として地域に平和な社会の実現を呼び掛けていきます。
「名北福祉会9条の会」では、講演会や勉強会、情報の発信などを行っていきますのでよろしくお願い致します。
11月25日夜めいほく保育園ホールにて、名北福祉会9条の会立ち上げ講演会が開催しました。名古屋大学の愛敬浩二教授を講師をお願い し、準備したのですが、来場者が10名前後では悲しすぎるよな、と眠れぬ夜を過ごしていたのが杞憂でした。60名余りの参加者によって保育園のホールは熱 気にあふれ、9条を護もり平和を護ろうという想いの結集に、、10名前後では、、、と、つまらぬ妄想に取り憑かれていた自分を恥じました。だいたいにおい てこんな小心者が会長でいいのだろかと疑問をもちつつ、皆様に育てていただきたいと思った夜でした。ご多忙のなか講演会に参加しようと思いながら出来ずに いる方も多々みえただろうと思います。そうした方とこの会場の熱気を消さぬよう、さらに仲間を増やしつつ9条があることを誇りとしていきたいと思います。 今後ともよろしくお願いいたします。
「講演の報告」
愛敬さんは、1時間という短い時間のなかで密度の濃い講演をしてくれました。感謝です。「9条は理想」ということがよく言われますが、そうじゃなく実際に重要な役割をはたしている、ということを力強く語っていだき、参加者も思いを新たにしたと感じました。
まず、「憲法を巡るいまの状況を分析」からです。
今年の8月30日に50年にわたる自民党政府から民主党政府に政権交代されたんですが、じゃあ民主と自民と大きく違いがあるのかという と大差はないんです。小泉内閣のときの郵政なんかの構造改革でいけば、鳩山さんなんか、そんな(生温い)もの真の構造改革ではない、と言ってたぐらいでむ しろ強行な改革路線だった。もともと格差社会の是正や社会保障の充実なんかは重視してなかったんですが、新自由主義から生み出される経済破綻者が多くなっ たとこで、千葉の補選で「社会保障」を自民との対立軸にしたら選挙に勝ったんです。そこからとりあえずその路線に乗ったということで、憲法に関しても自民 と同じく改憲路線なんです。鳩山由起夫なんか新憲法制定議員同盟の顧問だし、前原誠司は副会長になってるぐらいですから。
そんな民主党が政権交代して第一党になった。これはどういうことか??、ということです。その選挙では、民主党の圧倒的な勝利のように 言われていますが、実は民主党の「小選挙区」での得票率は47.4%で自民党は38.7%なんですね。つまり得票率からいくと50%いってないんです。で も実際の議席は民主221で自民が64で、得票率と比べると議席に差がですぎる。これこそが小選挙区制で、そうしたうえでの第一党なんですね。しかも二大 政党制になってくると自民に勝たせないために民主という選択する人もでてくる、だから必ずしも民主の支持じゃなくても票を獲得する、そんな票も入った 47%なんですが、反映される議席が多すぎるのに確認すべきです。
ただ、まだ救いなのが民主は参議院で単独過半数に達していない。社民と国民新党と連立を組まないと法案を通せないということです。社民 が一程のブレーキになっていて沖縄辺野古の米軍基地の問題なんかでも、社民がいるので簡単に進めることができない、ってこともあります。もちろん改憲しよ うとしても社民がブレーキになる。それで今言い出すことはできない。それでもですね、来年夏の参院選で民主が単独過半数をとったら社民は切られ、一気に改 憲に向かう可能性があります。やはり、警戒しないといけないでしょう。
つぎに「憲法改正は何を狙ってきたか」って話をします。
ひとつにネオコン、ネオコンというなは新自由主義のことですね。自己責任からはじまって規制緩和やら、民営化による競争ってのを押し進 めるやつです。これには憲法25条の生存権が邪魔になる。財界なんかは「日本が過剰に平等で問題が多い」なんていうわけです。もし自民党の草案によって 2005年に改憲されていたら間違いなく社会保障が蔑ろにされていたでしょう。でもされず、さらに運がいい(運が悪い)ことに景気が傾き、新自由主義のほ ころびが見えた。それで改憲されずにすんだということです。
さらに憲法改正によって「強い国家」を狙っています。
日本の自衛隊は費用ランキングでいくと世界のなかで5位、陸上自衛隊の人数でも14万7千人とドイツをのぞいたEU諸国よりも多く、戦艦も世界5位の戦力を保有しています。
これだけの戦力も憲法9条があるために軍隊として使われることがなかった。これまでは、突然襲われた時の自己防衛の権利がある、急迫不 正の侵害に対抗する実力行使はできるはずだ、という解釈で9条に背くはずの軍隊を自衛隊として保持してきたわけです。ただ、海外派兵、つまり海外での軍事 行動はこの解釈では説明できない。だから改憲したいわけです。
実際に海外派兵はアメリカの要求でもある。アメリカは中東あたりに進出したく日本にも協力するように要請してくるわけで、それに応えるためには9条が邪魔になるわけです。
最後に9条が何故大切か、もし9条がなくなったら、、を話します。
日本国憲法9条というのは国際社会でも認められているんですね。1999年5月にあったハーグ市民社会会議では「日本国憲法第9条が定 めるように、世界諸国の議会は、政府が戦争をすることを禁止する決議を採択するべきである」といわれている。国際世界でも認められている9条をなくしてい いか、を考えるべきですね。
また「第9条の会」のチャールズオーバビー博士は言っています。エンジニアリングの勉強をして技術者として就職したくてもアメリカや ヨーロッパでは軍需産業しかない。ボーイングにしろデュポンにしろルノーにしろしかりです。日本は武器輸出禁止なので軍需産業で仕事をして戦争に加担しな いですむ。
ただ、日本の企業も自衛隊に供給するだけではpayできないので武器輸出を解禁しろ、という声がある。この辺も9条がなくなったらなし崩しになっていく可能性もあります。
それと、日本にある米軍基地が恒久化するでしょう。
実際はちがいますが建前上日本を守るために米軍がいることになっている。ということは日本が安全になれば米軍は日本からでていかなけれ ばならない。実際に9条によって近隣諸国との緊張がなくなれば安全になるでしょう。ところが海外派兵のために9条をやめてしまうと、海外派兵が前提とな り、米軍が日本にいる理由になるわけですね。
イランには自衛隊がいってしまったわけですが、それでも9条があるので「軍隊」ではないってことでいって、人は死んでませんね。ベトナ ム戦争のときは9条があるので自衛隊もいってません。韓国は軍隊で9条もなかった。日米の安保も韓米の安保もたいして変わりませんが、9条がなく軍隊だっ た韓国は30万人をベトナムに送り込み3739人死んでいます。当然、9条がなかったらアメリカは日本にも韓国と同じ要求をしたでしょう。
南山大のマイケルシーガル先生、オーストラリアの人なんですが興味深いことを言っている。
entrapment(罠にかける)とabandonment(見捨てられること)です。
過去のオーストラリアは、英国の関わる戦争に積極的に参加して英国のために貢献したんですね。北アフリカまでいっている。なぜかという と、オーストラリアの仮想敵国は日本で、日本が攻めてきたら、あの長い海外線を守ることはできないから英国艦隊に守ってもらおうと思っていたわけです。今 貢献しますから、いざというときはお願いします、ってことです。でも実際に日本が真珠湾を攻撃したあとに英国は守備ラインをインドまで下げてきているんで す。つまりオーストラリアを守ろうなんて意志は全くないわけですよ。
オーストラリアは罠にかけられ、捨てられたわけです。
似ていますね。
大国は小国を捨てるんです。
でも、9条があるから「罠にかかる」のを防いでいるわけです。
9条は「理想」というだけでなく、安全のために重要な役割を果たしている、ということです。
(会長 isaji記)
資料;講演会レジュメ
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